組織戦略〜社員一人一人が調和を取り発展していくために必要なこと〜
「古川益一の経営勉強会」開催レポートです。
勉強会通じてのテーマは、「経営学の真理を学ぶ会」
300件以上の会社を再建された再建コンサルタント古川益一さんを講師に開催しました。
僕は、開催のお手伝いをさせていただきながら、レポートも作成しています。
この勉強会は、5月から10月まで半年、12回行う予定です。
今回は、3回目の開催。「経営戦略 1本目の枝 組織戦略」について学びました。
“調和の取れた組織作りと運営”
「人を疑わず組織とシステムを疑え!」と言う名言があります。一人一人の能力を評価する前に会社組織に問題がないか? を疑うことです。
社員にやる気がない! 能力が不足している! 協調性がない! などは、組織が原因ではないか? と疑う事です。
企業はヒトなり。と言われますが、ヒトを生かすのは組織の成り立ちによる所が大きいものです。
組織を一言で表すと「社員一人一人が共通の目的を持ち、一定の秩序に従って有機的に動きを成す統一体」になります。
経営戦略は、3本の枝で構成されますが会社が大きくなればなるほど、組織戦略の重要性が増してゆきます。
一人の人間がまとめられるのは、5人が限界と言われています。
いかに大きな組織であっても多くて5人単位で部署が構成され、係→課→部とまとまってゆきます。
小企業であればあるほど、営業戦略に目がいきますが、会社の発展の基本は、実は組織戦略です。つまり、いかにヒトを生かすかにかかっています。
組織の重要性を表す言葉を拾ってみると、
- “人あるを知らず、知って用いず、用いて任せず” これを称して経営3不祥という。
- 人間が優れた仕事をするには、自分一人でやるよりも他人の援助を借りる方が良いのだと悟った時、その人は偉大なる成功を遂げる。(カーネギー)
- 組織とは、凡人にして非凡なる働きを成さしめるものである
- 組織とは、個を無視しない全体と全体をいかす個とが、渾然融和となって動く極地を目指すものである。
- 組織を潤す5つの心
1.「ハイ」という素直な心
2.「すみません」という反省の心
3.「おかげさま」という控えめな心
4.「私がします」という奉仕の心
5.「ありがとう」という感謝の心
などがあります。
このように、組織の良し悪しが会社の将来を決定し、その組織をまとめるものは「共通の考え方と目的」です。
つまり、経営理念に集約されることが理解できるものと思います。
2.組織の階層、質的量的関係
会社は大きく分けると、経営・管理・作業の3つの階層に分類され、それぞれ役割が違います。その階層は、小企業であればある程、経営者が中心となりダブって全体を成すことになりますが、その区別を認識して関連付けることが大切です。
「この仕事は作業であり、経営者本来の仕事では無い」と思って実行することにより、会社が大きくなってゆく過程の一コマであると考えられます。
「経営者本来の経営の仕事」と区別して実行することにより、会社組織の発展へと導かれてゆくものと思います。
それでは、量と質の両面から分析してみましょう。
① 経営
経営機能と言われ、最高の方針を決定し会社の進むべき方向を明らかにし、会社を取り巻く対境関係の調整に努力する仕事です。
② 管理
管理の仕事は、経営者から示される方向と意思に従って、あたかも「現場監督」のように現場作業を対象とし、これを上手に管理する仕事です。
③ 作業
事務、営業、作業など、いわゆる管理される側の仕事です。
3.組織運営の原則と実際
組織を円滑に機能させるために、その基本を考えてみましょう。
経営体が一つの生き物のように一体となって発展していくためには、3つの原則があります。
(1)職務の明確化
各社員それぞれの受け持つ仕事を職務として、何をやらなければならないかを明確にしなければなりません。そして、同時に3つの条件を満たすものでなければなりません。
・義務=与えられた仕事は、必ず実行しなければならないという義務感を持たなければなりません。
・責任=仕事はただ実行するだけでなく、遂行責任を負わなければなりません。
・権限=仕事の専門家としての地位と権限を認め、自由に仕事の出来る環境を創ってあげなければなりません。
この3つを“3面等価の原則”と言い、どれが欠けても円滑な組織運営は出来ないものです。
(2)職務委譲の限界
職務は上から下へと委譲し、委譲した人は自己の責任だけを残して実行させます。人には仕事の可能範囲があり、それ以上は委譲せざるを得なくなるためだけでなく、委譲することにより能力を高めていくことになるからです。しかし、例外的なことや偶発的なものまでも任せてはなりません。
そして、忘れてはならないことは、それぞれの委任者は絶えず見守る責任が残ることです。監査責任と調整、そして協力関係を築いておくことが最も重要です。
(3)遂行責任と結果責任
会社経営に於いては、責任は2つあり明確に分ける必要があります。
遂行責任は仕事をやり遂げる責任であり、結果責任はその結果について責任を負うことです。結果責任は経営者のみの責任であり、他の役員、社員すべては遂行責任のみを負っていることを忘れてはなりません。
いかに、責任をもって仕事を頑張ると言っても限度があります。経営者は仕事を任せると言いながらも、会社の存亡を左右するような事態にならないよう、常に見守り、時にはストップをかける勇気も必要になります。
4.組織運営サイクル
組織の運営は、計画(Plan)を立て、実行(Do)し、その結果を比較分析判断(See)して、次のプラン作りに役立てる方法が一般的であり、PDSと呼ばれています。
しかし、このサイクルは直接と間接の2つあり、その違いを理解する必要があります。
(1)経営者が担当するPOCサイクル 計画→組織化→統制(間接)
P(計画)
経営理念に基づき決定した、経営方針を実行する ために考える総合的な計画です。
O(組織化)
計画を実行するための組織を作ることです。
C(統制)
組織の成否を見極め、さらに計画の修正等を見直し統制していくことです。
このように、POCは経営方針に基づき組織化。その結果を検討、統制してゆくものであり、経営方針を具体化するものです。間接的な運営サイクルとして経営者が考えるものです。
具体的に経営者の仕事というものを考えてみましょう。
・経営者独自の仕事
経営者の仕事とは、会社の経営をすることです。技術開発や営業、そして財務は部門の仕事であり、本来は経営者の仕事ではありません。
経営とは、組織、手順、利益などを考えて、そのための仕組みを作り、事業を行い、統制していくことです。この循環はPOCサイクルと言われます。
① 経営理念を作り、経営方針を立て、戦略を練る
会社としての根本的な考え方を示し、進むべき道標を立て、それに行き着くための戦略を練ることが社長本来の仕事であり、他の人にはできない仕事です。先ずは、経営計画書にまとめることから始めましょう。
② 働く人の意欲が盛り上がるような組織を作り、社員を教育する
経営者は、常に「社員に仕事をして頂く」という謙虚な気持ちと、社員が意欲を持って働くことができる組織を作り、その考えを浸透するための教育をして行かなければなりません。
③ 計画と実績の差異を分析、追求、改善する
計画を遂行するため、常にチェックし、軌道修正を図っていかなくてはなりません。計画を立てた以上、常に達成するための意識を持ち続けることが大変重要なことです。
5.組織運営の三要素は“報・連・相”
“ほう、れん、そう”は、円滑な組織運営には欠かせない三要素です。この三要素がきちんと行われない組織は、上司や同僚との意思疎通が上手くいかず、効率が落ちるなど、業務上、支障が出ることになります。
これが根付いている組織は、お互いの状況がしっかり把握できるので、助け合ったり、仕事の効率アップが図れており、トラブル回避にも役立ちます。また、新しい発見など、仕事の可能性を広げるきっかけにつながります。
など、これだけの量でも勉強会の一部。
もっと内容はあるのですが、長すぎてしまうのでここまで。
こちらの内容は、勉強会にこられるともっと深いお話が聞けますよ!
個人的な感想
言われるとハッとすることが多かったですが、一つ一つ見ていくと難しいことではないです。
ただ、当たり前のように思い気づかなかったり、やり続けられている人が少ない、いつの間にかやらなくなってしまった内容が多いように感じました。僕自身も、従業員時代の上司や経営者がこんな考えをもっていたらな。僕自身もわがままだったなと反省しながら話を聞いていました。
経営者だからすごいでなく、従業員や社員だからダメでなく、それぞれ役割があり、それに合う仕事をする事で、会社は良くなっていくのではないかなと思いました。
それと、経営者がPDCAサイクルやっていると組織が育っていかない事を痛感しました。
経営者がプレーヤーの動き、PDCAサイクルで動いていたら、昭和時代の見て学んでやれる人以外は、そうついていけない気がします。助け合いながら、励ましあいながら、遂行責任を負って仕事をする。
自主的に仕事していく状態になると良いのではと思いました。
次回の勉強会は、6月24日(月)
営業戦略をテーマに、古川先生自身の営業体験から得たお話から
具体的でわかりやすい営業戦略についてお話していく回になります。
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