経営の樹を育てる〜会社経営は一本の大樹を育てていくこと〜
「古川益一の経営勉強会」開催レポートです。
勉強会通じてのテーマは、「経営学の真理を学ぶ会」
300件以上の会社を再建された再建コンサルタント古川益一さんを講師に開催しました。
僕は、開催のお手伝いをさせていただきながら、レポートも作成しています。
この勉強会は、5月から10月まで半年、12回行う予定です。
今回は、2回目の開催でした。
1.冒頭挨拶
経営で困り、追い詰められてうつになってしまったり、亡くなってしまう方もいる。
責任は果たす。しかし重荷は負わない。
借金は責任、ただ重荷ではない。
借金で命を落とす必要はなし。
会社経営に於いての借金は、事業の3要素の1つ。
お金がないと商売ができない、車でいう潤滑油。
現金があるから、商売ができる。
利息は、お金を使わせてもらう利用料の考え方。
売上の波は、必ずしも自社のせいとは限らない。
世の中で起きた事が、売上に影響が出るケースがある。
その際、誰かのせいでもない。
ただし、不正やウソをついてはいけない。
そういった人は再起が難しい。
誠実に堂々と経営すると、ほとんどの事がなんとかなる。
一番良くない事は、経営者や社員がやる気を無くして仕事しなくなってしまう事。
2.前回のおさらい〜経営の基本〜
どんな事をやる場合でも同じであり、経営でも同じ事。
経営学は、本を読んだり学校などで学ぶだけでは難しい。
知識は、ものすごい膨大なため、必要になった時に勉強すれば間に合う。
真理は、原理原則であり知っておきたい事。
経済学は、実践しなくてもわかる知識。
経営学は、実践しないとわからない実体験から学ぶもの。
3.経営の樹を育てる
経営の醍醐味は、苗木を台地に根を張り、風雪に耐え抜く大樹に成長させる如くである。
勉強会での会社経営の定義は、一本の大樹を育てていくこと。
大樹とは、人々が救い求め集まってくるようなイメージして取り組む。
◎根と土壌 = 経営理念
会社の根本的な考え方として、目には見えないがどんなことがあっても絶対に揺らぐことのない信念、哲学が全体を支えるものです。
◎幹 = 経営方針
経営理念に基づき、それを具体化するための考え方、方向性であり、一本の筋の通ったものです。
◎枝 = 部門戦略
経営方針を実行、結果を出すためのやり方として、ヒト(組織)モノ(営業)カネ(財務)の3本の枝に分かれます。しかし、それぞれは一つの幹から出ており、調和を取りながら助け合っていかなければなりません。
◎葉、実 = 戦術、戦技
戦略の実行方法としての戦術、さらに、それを実らせるための戦技です。経営戦略は簡単に変更してはなりませんが、戦術、戦技は状況に合わせて柔軟に対応してゆくものです。
各項目についての解説もありました。
1.経営理念(根と土壌) 心の持ち方
「経営理念とは経営者の思想であり、哲学である。その思想・哲学が会社を成長させ、また会社の危機を乗り越えさせる」
経営理念を簡単にいうと…
「何のために事業をするのか」
「どういう会社にしたいのか」
「その事業でいかに社員を幸福にしていくのか」
「その事業でいかに社会責任を果たしていくのか」
という潔癖なる思想と哲学であり、まさに地中に深く張る「根」に当たるものです。
実現できている会社は、社長から末端まで全てが一枚岩となり、企業の底力となっていきます。
経営理念は、利益より優先して実践すること。
逆に、理念を後回しにしてしまうと、結果的に大きな損失、不利益になってしまう。
経営者は、歩く経営理念たれ。
経営理念は、順調に成長している時よりも、辛い時に役立つ。
経営理念の事例、理解を深めるため、商家の家訓や日本古来より伝わる和歌の一種「道歌」の紹介がありました。
2.経営方針(幹) 1番を目指す
経営方針は、枝や葉につながる幹として、経営理念を形にするための戦略樹立に方向性と考え方を示す基本方針。
全ての経営方針を考える基本となるものは《オンリー1、ナンバー1を目指す》こと。
オンリー1は、他ではマネできない程の特徴をもつことですが、どんなことでも差別化はできる。
ポイントは、地域を限定して定めること。
3.経営戦略(枝) 結果を先に決めてから考える
戦略とは「戦」をするための総合的な準備、計画、運用の方法を言います。
戦略的な思考をもつには、このような考えをもつと良いと言われています。
・将来の見通しをつけ、それに行き着く計画の基に目の前の出来事を処理していく。
・交渉においては、あらかじめその結果を決定し、それに合わせるように相手の考えを促していく。
・常に先手、先手で手を打ち、目標に向け修正していく。
3本の枝として、ヒト・モノ・カネの戦略を考える。
計画は、先に5年や10年後にどうしたいかを決め、その後短期の計画に落とし込んでいく。
計画通りにいっている時は、計画通りないしそれ以上になるよう目指す。
計画通りでなく、落ち込んでいる時は、一旦最悪の想定をした上で考える。
情報とは??
ヒト・モノ・カネに情報を加える考え方が主流になっていますが、3つが揃っていれば情報は自然に入って来るものです。
情報は、「情」と「報」の2つの言葉から成り立っています。
・情:「なさけ、思いやり、まごころ」などです。
・報:「むくいる、知らせる」2つの意味があります。
このように解釈すると、「経営とは、ヒト・モノ・カネの調和を取り組み合わせて、相手から返ってくる思いやりに対し、誠心誠意報いていくこと」になります。
ヒト・モノ・カネの3本の枝は、情報により生き生きと育ち繁栄していくことになるものと思います。
4.戦術と戦技(小枝と葉)
戦術は、その戦略に基づき現場に於いてその実現手段を考え、状況を見ながら、具体的に行動することです。
戦技は、社員個々の能力向上や細部の見直しの徹底を図ることです。
戦略との違いは「変更」
戦略は、一度決めたら簡単に変更してはならないもの。戦略をコロコロ変えてしまうと、行動がブレやすくなってしまう。
戦術は、仕事現場に於いて臨機応変に対応すること。判断基準が、経営理念に基づくものであれば行動はブレません。
次回の勉強会は、6月10日(月)
組織戦略をテーマに、
組織作りの原理原則、組織運営サイクルなどについてお話していく回になります。
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